私立医学部を目指すなら予備校の基本知識と賢い選び方を知っておこう

数学コラム

医学部に入学するためには、10倍20倍もの倍率に勝ち抜いて、入試という難関を突破しなくてはいけません。医学部に合格するには独学で自学自習をすることは難しいので、受験対策として予備校に通っている人も多いのではないでしょうか。

予備校に通学すれば、大学受験に特化したカリキュラムと経験豊かな講師陣、そして入試に関する情報が多いことが魅力です。しかし、予備校にもいろいろなカラーがあります。もし、私立医学部を目指しているのであれば、予備校の基本知識と賢い選び方を知っておきましょう。また、医学部専門予備校に聞かれる闇の部分についても少しだけお話したいと思います。

【国公立私立共通】医学部に入るための予備校の特徴とは?

国公立あるいは私立に関係なく、医学部に入学するための予備校には、授業のスタイルやサポートの充実度などからいくつかの種類があります。また、これまで「奇問・珍問」といわれていたような私立医学部受験に特化した予備校の特徴もご紹介します。

大手予備校には医学部コースがある

予備校といえば〇〇、というような大手予備校には医学部受験コースがあることが多いようです。国公立医学部あるいは私立医学部向け、または東大医学部や京大医学部など志望大学ごとに設けられたコースなどです。なかには、医学部志望者だけが集まる校舎があったり、オプションで医学部特設ゼミが受けられるなど、大手予備校にはさまざまはコースが用意されています。

学習のスタイルは少数または集団授業が一般的ですが、個別指導や短期集中の合宿があったり、学習時間をしっかり確保するために全寮制をとっている予備校もあるようです。

医学部を目指すなら医学部専門の予備校がおすすめ

上記のような一般的な予備校に通うための費用は年間約100万円が相場になっています。いっぽう、医学部専門の予備校は年間500万円~1000万円とその何倍もの費用がかかりますが、それに見合うメリットがあります。

医学部専門予備校の特徴は、個別にカリキュラムが作成されるため、ひとりひとりのサポートが充実していることです。また、卒業生は医学部生ばかりなので、医学部の入試傾向なども徹底的に分析することができますし、面接や小論文などの対策もおこなっていることが多いようです。

なかでも私立医学部に特化した予備校もある

医学専門予備校のなかには、私立大学受験に特化したカリキュラムを用意していることもあります。なぜかというと、国公立と私立医学部受験のそれぞれの入試に必要な対策が大きく異なるからです。

国公立の医学部を受験するためには、センター試験を受けなければいけません。つまり、理系科目だけではなく国語や社会などの文系科目を含めて、全科目バランスよく勉強する必要があるのです。国公立の医学部全般的に応用がきく学力や、総合的に偏差値をあげていく勉強法が身につくので、受験直前でも志望校の変更がしやすいことが特徴です。

いっぽう、私立医学部を目指す場合には、理系科目だけで受験できる大学が多いのです。つまり、全教科の受験対策をする必要がないということです。ただし、各大学ごとの入試には特色があり、出題のパターンや傾向、分野、科目ごとに配点が大きく異なります。そのため、私立医学部専門の予備校では、志望校に特化したカリキュラムを、個別にサポートしてもらえることがメリットです。

私立医学部専門の予備校を選ぶさいの3つのポイント

私立の医学部を目指すのであれば、上記のような私立医学部専門の予備校に通うことがおすすめです。ここでは、じっさいに予備校を選ぶさいにどのようなポイントに注意すればよいのかをご紹介したいと思います。

1対1の個別授業か少人数あるいは集団授業か

最近ではオンラインや自学自習という予備校も増えていますが、一般的な予備校は、1対1の個別か、少人数あるいは集団という授業スタイルが多いようです。

少人数あるいは集団授業の場合には、同じ目標をもつ仲間と切磋琢磨しながら勉強することができますが、自分の苦手科目や単元がしっかり理解できていないまま授業が進んでしまうことがあります。反対に、得意な科目であっても授業のペースは変わらないため余計な時間を要してしまうと感じることもあるでしょう。

その点、1対1の個別指導では、ひとりひとりの苦手分野と得意分野を把握してもらえるので、自分に合った対策やカリキュラムが用意されます。得意分野はどんどん伸ばし、苦手分野にはじっくり時間をかけて取り組むことができるのです。

予備校の実績は数字だけでは判断できない

多くの予備校では受験シーズンになると、その年の合格者数や合格率を大きく掲げています。「有名大学の医学部に〇人も合格者がいる」という情報から、その予備校には十分な実績があるとついつい思ってしまいます。しかし、予備校に通う生徒が多ければ多いほど合格者数も増えるはずですから、本来ならば、在校生のうち何割の人が合格したのかが重要です。

合格率は、予備校生の合格者数を予備校生の受験者数で割って算出します。しかし、予備校のなかには、1人の受験者がいくつかの大学または同じ大学の異なる学部に合格した場合、合格数を延べ合格者数としてカウントしていることもあるようです。当然、合格率があがるというわけです。

ここで、本当に大切なポイントは、「自分が志望している大学に、どのくらいの人が合格しているか」をしっかり見極めることす。

【私立医学部合格に向けて】避けたい予備校と力を入れたい数学のはなし

私立医学部を志望しているなら、私立専門の予備校に通うことが1番の近道かもしれません。しかし、医学部専門予備校には闇があることもまた事実なのです。ここでは、私立医学部合格に向けて、絶対に避けるべき医学部専門予備校をまとめました。また、とくに力を入れてほしい数学の勉強法についてもご参考ください。

医学部専門予備校には闇がある?

近年は医学部志望者が増えていることもあり、大小さまざまな医学部専門予備校が参入しているといわれています。なかには予備校生の確保や利益をあげるためだけを目的とした予備校もあるので注意しましょう。

幻冬舎から出版されている「医学部受験の闇とカネ」長澤潔志(著)によると、人件費を抑えるために経験の浅い講師を雇っている医学専門予備校は少なくないといいます。また、もともと高額な授業料ですが、講師の勧めによってコマ数を増やしたり夏期講習などを受講させるなど、基本料金には決しておさまらないことが当たり前。さらには、あえて合格ではなく浪人させることで利益をあげようとする悪徳な予備校も少なからず存在するようです。

数学の個別指導が必要なワケとは

現在全国にある医学部をもつ私立大学は31校ありますが、その半分以上の受験科目は英語と数学、そして化学・生物・物理から2科目。配点は4科目それぞれ100点の合計400点です。なかでも、受験の合否に1番大きな影響を与える科目が数学だといわれています。にもかかわらず、苦手意識をもっている人も少なくないのではないでしょうか。

しかし、数学は躓いている部分が分かりやすいこと、そして問題の解き方やプロセスさえ理解していればどんなパターンにも応用がきくことから、1番伸ばしやすい科目でもあるのです。集団授業では分からないまま進んでしまいがちですが、個別指導を受けることで自分が分からない部分が明確になります。そこまで戻って自分のペースで数学の学習を積み重ねることをおすすめします。

まとめ

「お医者さんになりたい」と、毎年子供がなりたい職業ベスト5に入っているのが医師だそうです。自分の子供が医師を目指していることに嬉しく思う親御さんも多いでしょう。憧れの医学部に合格することは決して簡単な道のりではないかもしれませんが、私立医学部専門の予備校では十分なサポートを得ることができるでしょう。

しかし、私立医学部に特化した予備校選びには注意するべき点も多いようです。講師の質や授業のスタイルなどにくわえて、本当に親身になって対応してもらえるのか見極めることが大切です。自分がどんな大学へいきたいのかを明確にし、自分の志望大学受験の対策やカリキュラムをしっかり受けられる予備校を選びましょう。