医学部への受験勉強はいつから?個別指導を効率よく活用しよう

数学コラム

医療の道へ進むきっかけはさまざまあります。将来を見据えて、医学部受験を控える人たちが抱える悩みの中でも多いのは、「受験勉強をいつから始めて、何から手をつけるべきかわからない」というものです。とくに私大医学部を目指す場合は、早い時期に志望校の出題傾向に即した対策方法を練る必要があります。親御さんにとっても、子どもにいつから勉強を始めればいいかを伝えるのは、なかなか難しい面がありますよね。

今回は、医学部への受験に向けて勉強を始めるタイミングと勉強内容をご紹介します。合わせて、受験勉強を進めるうえで個別指導か集団指導、どちらが効果的なのかを解説します。無駄なく効率的に受験勉強をスタートする際の参考にしてください。

医学部受験の状況は?近年の合格率・現役生の割合など

医学部受験の受験者数は年々増加しています。その分、倍率も高くなっているため「狭き門」と多くの人が実感しています。立ち向かうべき相手のことを知らなければ、受験勉強をいつから始めるのが良いか、そんな判断もできません。合格に必要な学力や医学部全体の合格率を確認して心構えを整えておきましょう。

医学部合格に必要な学力

医学部への進学は、現役合格は難しい、最難関だと耳にしたことがある方は多いでしょう。国公私立はともに偏差値70以上が合格ラインです。私大ですら国公立大の滑り止めにもならないほどです。これが医学部は狭き門といわれる所以といえます。

しかし、私立医学部に関しては学校ごとに入試内容が大きく異なるため、きちんと過去問の傾向を把握し、対策を練っていけば偏差値が達していなくとも合格する可能性があります。

医学部全体の合格率

 男性合格率女性合格率
令和2年12.5%11.4%
平成25~30年11.2%9.5%

(出典:医学部 男女比合格率

文部科学省が発表した国公私立大学医学部全体の合格率は令和2年の時点で男性12.5%、女性は11.4%となっています。平成25~30年度のデータと比較すると、男性は合格率に変化が少ないいっぽうで、女性の合格率が上がっています。これには、女子受験生に対する差別意識を失くそうとする動きから女性受験生への窓口が広くなった背景があります。

また、現役合格性と浪人生の割合をみてみると現役生の割合は約3割、残りの7~8割前後を1浪、2浪した浪人生が占めています。したがって再受験というアプローチの人も多いのでまずは現役合格者と浪人生の割合を意識する前に、受験準備を始めましょう。

医学部の受験勉強はいつから始めるべきか…対策法は必要?

受験勉強をいつから始めるか、このタイミングは悩みどころです。受験勉強は早いうちからスタートしたほうが有意なイメージはありますが、必ずしもそうではありません。勉強した内容が理解できているか、勉強の仕方も重要です。受験勉強のタイミングとやっておくべき内容を確認しましょう。

医学部受験勉強はいつから?高校1年生から準備する人も?

現役合格をしている人の多くは高校1年生から受験勉強をスタートしています。1年生では、まんべんなく基礎を固めて置き、2年生になってから本格的な受験勉強へ移行する人が多いです。1年生のうちはとにかく苦手科目をつくらず、どんな科目でも基礎問題は最低限スムーズに解けるようになることがポイントです。

医学部受験では、苦手科目を捨て、得意科目得点源にするといった方法は通じません。勉強をしっかりと行って全体的な基礎学力をあげておきます。そして医学部の受験勉強は2年生での勉強の仕方が合格を左右します。高校1年生では、2年生に向けて土台をつくることに注力しましょう。

高校2年生での勉強が重要になる

高校2年になると、生物・物理の科目が加わります。それに伴い勉強量も増えます。1年のときの基礎固めがここで活きてきます。ポイントとなるのは英語と数学です。この2教科は解く力を身につけるまでに多くの時間を必要とします。苦手や抜けがないか、確認作業をしながら理解を深めていきましょう。

冬休みごろを目途に、いくつか志望校の過去問を解いておきましょう。特に私大医学部は学校ごとに問題傾向が色濃くでるのが特徴です。志望校が決まっている場合は、慣れるために過去問に手を付けておきましょう。早めに自分の実力と志望校との差を知ることで、高校3年生のときの勉強計画を見直すきっかけにもなります。

高校3年生では志望校対策をしっかり行う

高校2年生のうちに苦手や抜けは解消されているはず、英語や数学は安定した得点がとれているのが理想です。高校3年生では志望校を絞り込み、徹底した志望校対策を行いましょう。入試傾向や特徴、各科目の配点をチェックし、今の学力を合格ラインにもっていくために必要な科目に力をいれて取り組みます。

筆記だけではなく、面接対策も忘れてはいけません。1人ではできないものは進路指導の教師や予備校講師を頼り、受験に向けての総仕上げをしていきます。前述したとおり、医学部の合格率は浪人生が多い傾向にあります。1年多く勉強を重ねている浪人生はあなたの強力なライバルとなります。気をぬかずに入試対策をしっかり練りましょう。

医学部の受験勉強!個別派?集団派?効率が良いのはどっち?

塾や予備校を選ぶ際に迷うのは、1対1で授業を進める個別指導か、多くの仲間と授業を受ける集団指導です。どちらにもメリット・デメリットは存在します。それぞれの特徴を知り、自分に合ったものを選択しましょう。

個別指導の特徴

個別指導のメリットは、苦手科目を作りづらい点にあります。マンツーマンのため、抜け漏れがある箇所や不安な教科は時間をしっかりかけて、解消することができます。その分、得意科目はどんどん進めることができ、時間のムダなく勉強を進められます。

いっぽうで、個別指導は自分のペースで進められるため周りの情報が乏しくなり遅れがちになる、モチベーションが保ちにくいといった面があります。個別指導の場合、一人一人の学力に合わせたカリキュラムを組んでいるところが多いですが気持ち的な油断がおきやすいことも理解しておきましょう。

集団指導の特徴

集団指導は、受験へのモチベーション維持や仲間との勉強を通じて意欲向上できるといったメリットがあります。同じ志をもち、同じ環境で受験勉強をする彼らは仲間であり、ライバルといった存在です。勉強する中でわからなかった部分は互いで補いあったり、問題の解き方や考え方を共有することができます。

いっぽうで、集団指導の場合は大概が学力別にクラス分けされます。同じペースで進むため苦手科目がある場合には消化不良のまま置いて行かれやすくなったり、逆に得意な部分を長々と説明されたり、効率が落ちてしまう傾向があります。個別指導と集団指導では、それぞれがメリット・デメリットを補い合っています。費用面も含めて検討してみましょう。

まとめ

受験勉強をいつから始めるかは、医学部受験を検討している人なら誰もがぶちあたる問題です。早くから始めることも良いですが、早すぎてもモチベーションの持続が難しく、勉強効率が落ちてしまう可能性もあります。

医学部受験は高校2年生での勉強が勝負のカギになってきます。2年生での勉強の仕方が合格を左右するといっても過言ではないでしょう。塾や予備校を活用する際、個別指導か集団指導を選ぶか、どちらにしても自分に合ったものでなくては良い結果はでません。無理のないものを選択しましょう。